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検索文字列の向こう側(htmlに寄り添う検索エンジン)

作成年月日
2009年03月01日 08:18

「いつか訪れるかもしれない誰かの為に」。それがこのサイトのポリシーであり、その意味については同名の文書に記したが、果たして手打ちのhtmlで誰かが訪れるところまで行けるかなという不安があるにはあった。正しいhtmlで徹底的に記述された文書は必ずそれを必要としている人に届く筈だと思ったものの、ブログ隆盛のこの時代。日々量産される数多の文書に埋もれてしまって地層の奥深くで砂に還る事になりはしないかという心配はあったのである。

けれどもそれはどうやら杞憂に終わったようだ。先一ヶ月分のアクセス解析でピックアップされた検索文字列の一覧がこれである。強調文字部分は上位10件に表示された文字列で、末尾の(1)は1位表示だった事を表す(2009年3月1日時点)

この月に限らずコンスタントに現れる検索文字列のトップ3は「2005FPW」「正規表現 改行を含む」「RD-E160」辺りで、中途半端な文書に辿り付いてしまった人には本当に申し訳無いと思う。特に「改行を含む正規表現」なんて、素人が無理矢理複数行のマッチングをなんとかしてしまおうという方法を記した文書であって、この検索文字列を打ち込んだ人達にとって有益な物だったかどうかは非常に疑わしい。

一方、「RD-E160 ファンの騒音」が「rd-e160 騒音」でトップに表示されているのは喜ばしい。大して有効な対処法が書いてある訳ではないが、原因となる場所、修理に出さずになだめすかせる事が可能であることが示されているのは、突如発生した爆音にうろたえる人にとっては有用な文書足りうるのではないかと自負している。最近アップしたばかりの「マリア様がみてる:福沢祐巳に対する評価」から始まる一連の文書が軒並み収集されているのも素直に嬉しい。しかし「松平 瞳子 秘密」で検索して辿りついた人には申し訳無い事をした。未読の人に配慮してぼかして書いたので、どうしても秘密が知りたかったら原作を読んでいただきたい。「可南子ちゃん 舌」で検索して来た人は何を求めていたのか分からない。

黎明期のSEOと呼ばれる検索エンジン最適化の工夫はなりふり構わぬ酷いものであった。とにかくmetaタグのkeywordに片っ端からそれっぽい単語を入れとけとか、よく検索される単語を本文中に背景色と同じ色で埋め込んどけとか、それはもう、目を覆いたくなるような蛮行が横行したりもしたが、googleのアルゴリズムの進化に伴い小手先の欺瞞は通用しなくなっていった。ページランクを上げる為に必死に相互リンクを申し込むような行為も今となっては懐かしい。

検索エンジンがどんなアルゴリズムでサイトを表示しようとも、正しいhtmlと徹底した記述が誰にとっても幸福な結果を生む筈だという信念は、もしかしたら報われないのかもしれないと思っていたのだが、これは期待してもいいのかな。例えささやかでもこの文書群は誰かの役に立つのかもしれない、その道筋が用意されている。そう、思ってもいいのだろうか。完全な手打ちのhtmlで、時折RSSを更新したりSitemapを用意したりする位の事しかしていないけど、それでもこれだけの文書が拾われている。

私とあなたは同じ未来を夢見ている、と、考えてもいいのだろうか。