以前「想像力の責任」で、間違った津波のイメージが広く長く浸透してきた事を書いたが今日放送された「蟲師」第４話「枕小路」において、自分の知る限りでは初めての「正しい津波」が描写された。
嵩は低く、しかしいつまでも減衰しない長い波濤は、これまでアニメで（或いは映画も含めて）描かれてきた津波とはまるで違う。念の為家にある単行本を確認してみた所、大雑把な絵なので判別は付きにくいのだが、原作の漫画では旧来のイメージで津波が描かれている様に見える。
画面設計の参考になったのは勿論スマトラ沖地震が起こした津波の映像なのだろう。当時のニュース映像が世界中を駆け巡り、津波の本当のメカニズムが解説され、それがフィクションの世界に反映されて流布され、世界はまた正しいコンセンサスを得る。
深夜３時４５分という、普通の人なら眠りについているこの時間、静かにではあるが果たされるべき責任が果たされた今日という日を忘れないように、ここに記しておこうと思う。