※この記事には、ある事情(参照:「間違った英語の話をしよう」)のもと、高い確率で間違った知識が含まれています。
世の中何が起きるか分からないものである。前回の記事(『語学学習者用発音練習ソフトの仕様』)を読んだ人がその事をtwitterに書いて、更にそれを読んだ別の人がペレッと作ってくれたのである。「語学学習者用発音練習ソフト:(仮称)オウムくん」を。この間、わずか三日。ありがとうございます、ありがとうございます。
それではご紹介しましょう。こちらがその『オウムくん:通常モード プロトタイプ』と『オウムくん:お手本モード プロトタイプ』(作者:rubyu氏)だっ。はい、ドン!
エクスプローラーなどから音声ファイルをドラッグ&ドロップするだけの簡単操作により、『お手本モード』であれば「お手本ファイルの再生→マイク入力からの音声を録音→それを再生」という3ステップが、『通常モード』なら「マイク入力からの音声を録音→それを再生」の2ステップがハンズフリーで実行される。このサイクルは延々繰り返されるので、自分の声が納得行く音で返って来るようになるまで何度でも話せる。最初は1単語だけの音声ファイルから始め、慣れてきたところで1センテンスの音声ファイルを放り込んで試してみたら、試してみたら……。
いやぁ……もうちょっと上手に喋れてるつもりだったよ俺……。
何、この……英語っぽさが欠片も感じられない……うわぁ、なんだこれ……別に変な発音してる訳じゃないのに……なんていうか、なんか恥ずかしい感じの英語だこれ!くらいに効く。お手本の声を忘れるほどには遠くなく、しかし自分の思い込みから抜けられるくらいには時間を空けて突き付けられるこの現実。わたくし、軽く二日ほど倒れておりました。で、HP回復してからまた延々何時間も喋っていたのだけど、おかげでちょっと分かった。別に目新しい話では無いのだけど、
- 「単語と単語の間の音の連結や脱落(いわゆるチェキラ)」
- 「ストレスを置く場所とそれ以外の場所の音量と速度の差」
この二つは、思っていたより遥かに意識的にやらないとダメなのだ。日本語は割と仕様通りというか、そこにある文字はなるべく落とさず喋るけど、英語のそれはまるで昔のアニメの作画のようで、「顔全然似てないけど赤い服着てるからこれあのキャラやろ」くらいの!大事なとこさえ押さえておけば他はぞんざいでもええやろ、みたいな!それが、想像以上に幅を利かせていた。どこもかしこも満遍なく丁寧に発音してたらダメなのだ。大事な部分をドカンと発音して、それ以外の場所は軽く早く小さく通り過ぎるのがここでの嗜みなのだな。
とにかくこのプログラムが心を折るくらいに効くという事は分かったので、これからこれを使ってガンガン鍛えようと思う。勿論(作った人に確認を取った訳では無いけど)これは誰が使っても構わないと思うので、なんか発音が上達しねぇ、とか、どうもあやふやな子音がある、みたいな人も試してみてはどうだろうか。
追記
何の説明もせずに娘に『お手本モード』で適当な英単語をやらせたところ、返って来た自分の声をそれと分からず「この下手クソな声は何?」と聞いて来た。この機能の有用性が証明された瞬間と言っていいのではないだろうか。
再追記(2016年11月1日)
上記2モードに加え、『マジオウムくん:プロトタイプ 2版』が、作者:rubyu氏の手により実装されました。どんな長さのセンテンスでも、喋り終えると同時にディレイを返してくる高機能バージョンです。マイクからの入力レベルを元に文の区切りを検出するので、マイク入力レベルが閾値を超えるような値に設定されているとずっと録音状態のままになってしまいますが、その場合は録音デバイスのマイク入力レベルを適宜設定し直す事で、仕様通りに動作させることが出来ます。
- 録音フェイズステータス:ページを開いた瞬間から録音は始まっている。
- 再生フェイズステータス:喋り終わっても画面下部がこの色に切り替わらない場合は、マイク入力レベルが高過ぎて(部屋の雑音を拾い過ぎていて)声の区切りを検出できていない可能性があるので、マイク入力レベルを下げる。