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Alan Smithee

作成年月日
2005年12月29日 05:46

以前の日記で殿堂入りが期待出来ると書いた「銀盤カレイドスコープ」だが最終回で完全失速、それまでの頑張りが全て水泡に帰すという壮絶な幕切れとなった。

大穴一点狙いが見事に外れたわけだが、どうも着地に失敗しただけでは無い様だ。ネットで指摘されるまで気付かなかったのだが、最終回の「演出」のクレジットが「Alan Smi Thee」となっていたそうで、更に調べてみるとこんな記述に突き当たる。

「Alan Smithee」
実在しない架空の映画監督

アメリカで、映画・テレビ映画の監督が、内容や上映時間などで制作者と意見が合わずに降板したり、意志に反して編集された等何らかの理由でクレジットから自分の名前をはずすよう要求した場合、全米監督協会の審査・認定のもとに使用される架空の名義。

監督名が「アラン・スミシー」となっている作品は、制作上のトラブルや、監督が本来意図していたものとは相当に異なるものになっている可能性が高い。

だそうだ。わざわざこんな名義を用意している全米監督協会の用意周到さも驚きだが(それくらい現場と制作や配給側との折衝が熾烈だという事なのだろう)よりにもよって最終回でこんな名前のアナグラムを使いたくなるような「銀盤カレイドスコープ」の製作体制も興味深い。一体何があったのだろう。

脚本に対して不満があったのか、それとも少ない戦力から描けるコンテが逆算されてしまって思うようなフィルムを作れない状況に堪忍袋の緒が切れたのか、内部事情を知らない我々には推理のしようもないのだが、完璧な制作環境など殆ど望めないのが常のこの業界周辺において、わざわざ「Alan Smithee」さんに登場願うというのはよっぽどの事だったのだろう。

おかげで一つ豆知識が増えたが、こんな形で知りたくは無かった。