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読める新聞

作成年月日
2005年10月03日 06:02

欲しい情報は(偏っているが)たいがいネットで手に入るし、紙面全体から滲み出る新聞社のイデオロギーはだいたい俺の反対側だ。なによりヤクザまがいの連中に金を渡して部数を伸ばそうとしているのが気に入らないので、もう何十年も新聞をとっていない。絶対取ってやるもんかとも思っているのだが、こないだ喫茶店に行った時にちょっと面白い新聞を見かけた。

日経MJ(マーケティングジャーナル)という新聞で新製品のニュースや商売に役立つ情報をひたすら載せているだけの内容なのだが、そのストイックさが潔い。今こんな商品が人気だとか、こんな新製品が出たとか、この会社がこんなサービスを始めたとかそんな事ばっかり書いてあるのだが、それが非常に淡白な文章で「こういう風に世論を誘導したい」という下心が見えないのだ。この商品をヒットさせようというような裏取引も感じられない。ただただ真摯に「役に立つ情報を詰め込もう」という姿勢だ。

どのページも事実だけが簡潔に語られ批判も弾劾もスクープもない。真面目に仕事をしていれば必ず手に入る情報だけで構成された紙面は非常にコストパフォーマンスが高く、「あぁ、新聞って本来こういうのでいいんじゃねぇか」と思えてくる。

自分はなんであれ主義主張を盛り込まずにはいられない性分なので、こういうスタンスの仕事を目の当たりにすると、なんというか「あぁっ!どうもスンマセンでした」という、気分になるのだな。