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未体験の痛み

作成年月日
2005年08月16日 18:19

「虫歯のプロ」で予告したとおり、今日歯医者に行ってきた。酷い目にあった……。

虫歯があまりに深いところまで達している為、最初の麻酔が十分に神経に届かず(最初は歯茎に注射して、それが歯の神経に作用したところで、歯を削るのだが)感覚が残っている状態で歯の最深部に機械を突っ込まれた為とんでもない激痛に見舞われ思わず声を上げてしまった。

先に神経を殺す薬を入れてから後日処置を行うという選択肢もあったのだが、その間の痛みも結構なものらしいし、何より先延ばしにするのも(ここまで先延ばしにし続けたが故に)躊躇われたので、麻酔を追加し、様子を見ながら削っていって、我慢できる痛みは我慢して、我慢できない所に来たらまた麻酔を追加してという、漸進作業を執ることで先生と合意した。

長い長い戦いだった。今回初めて行った歯医者だったのだがこの困難なミッションにもめげず、最後まで丁寧に削りきってくれた。この後も何回か通って薬の交換をし、神経を完全に掘り出してから処置を行うらしく、しばらくは歯の根元から水平に一直線に切り取られた状態で生活しなくてはならないのだが、今はとにかくあの拷問が終わった事を神様に感謝したいくらいにすがすがしい気分だ。

もちろんこの拷問は自らが招いた事であり、今回かかった歯医者さんは完璧な仕事をしてくれた。歯の振動を通して削る人の性格もだいたい分るのだが、痛みに悶絶しながらも、こんなに丁寧に削られたのは初めてだと感動もしていたのだ。

終わってみるまでは最終的な評価は出来ないが、もしこのままいい感じで終わったら、こっちに引っ越して来て初めて安心して通える歯医者に巡りあえた事になる。これが終わったら二度と歯医者の世話になる事は無いと思いたいが、それでもいざという時の「あて」があるのは心強い事だ。