東芝のHDDレコーダーRD-E160は大変便利なHDDレコーダーであると思っているのだが、一部に欠陥がある。それは電源を切った状態から予約録画が始まった場合、ついでに番組予約をしておこうと思って色々操作していても、予約録画が終わったら問答無用で電源を切られてしまう仕様だとかではなくハードに問題があって、それはつまり背面の放熱ファンの騒音である。
通常運転時に微かに聞こえる回転音とは明らかに異なる爆音が本体から鳴り出す様になったのは、購入してからそう長い月日も経っていない頃だった。発生条件に一定の法則あるわけでも無さそうで、まったく予告無くいきなり本体後ろのファンの排気スリットあたりから「ビビビビーッ」と耳障りな音が鳴り始める。しばらくすると止んだりもするし、スリットの辺りを押さえたり、すぐ傍の電源コードを動かすと鳴り止んだりもする。
放熱に支障が出るとか、振動で録画に失敗するとか言う事もないので、騒音が鳴り始めたら後ろの方をゴニョゴニョしてなんとか折り合いを付けて来たのだが、昨年末あたりから発生頻度が上がって来て大晦日のAT-Xの「マリア様がみてる」一挙放送ではついに手が付けられない程になった。どうも稼働時間が長くなると発生する確率が上がるようだ。
このままでは深夜の番組録画の度に眠りを妨げられそうなので、思い切って分解して原因を探ってみた。上部カバーを外してファンを引っ張り出した状態で稼動させてみると、別に変な音もしない。そのままファンを持ち上げて横に斜めに動かすと、ファンの向きによって騒音が発生する。どうも回転軸の部分からビビリ音が出ている様で、これが本体ケースに共鳴して物凄い騒音になっているのだ。
ファンの回転軸受け部分に余計な遊びが出来ているのかもしれない。ファンは良くあるサイズの品で、おそらくPCパーツの余剰があれば、苦も無く代替品を調達出来ると思うのだが、生憎丁度いい物が見当たらなかったので、なんとかこれで乗り切らなければならない。正しい位置で回転させている限りビビリ音は出ないようなので、長時間の稼動により熱を持った筐体が、ネジ止めされたファンに偏った荷重を掛け始めることで、この爆音のスイッチが入ってしまうのだろう。ネジ止めの力加減を調節したり本体のネジ止め箇所を間引いたりして調整を続けた結果、なんとか適当な所に収まったようで、それ以来快調に動いている。
この背面ファンの騒音問題は、以前価格.comのクチコミページでも相談があったので、この個体に限った問題では無い様だ。ファン自体のグレードが低いのか、ファンを設置する場所が適当ではないのか、とにかくこの製品を使用しているユーザーにとっては遭遇する可能性がある問題なので、一応今まで知り得た事を書いておこうと思った次第である。サイトのアクセスログで検索文字列を調べてみると、このRD-E160やソニーのスゴ録の事を調べている人は多い。多いというのは適当な言い方ではないな。やはりインターネットの本領は調べ物にあるという事だろう。色んな人が色んな問題に直面して、型番を頼りに対処法をネットで検索しているのである。他人の日々の生活の事よりは、そういう事を知りたいと思う局面の方が遙かに多いという事であろう。
同じ症状でお困りの方にとって、僅かでもお役に立てれば幸いである。