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現実とゲームの混同

作成年月日
2005年08月13日 06:26

PS2ソフト「GRADIATOR-ROAD TO FREEDOM-」をクリア。とても面白いソフトだった。ウチではゲームを買う際これでもかというくらいに厳選するので、あまり外れを引く事はないのだが、それでも悩みに悩んで買ったソフトが期待以上に楽しめると嬉しくなる。その嬉しい気分に水を差すような話が無遠慮に耳に入ってくるとしても、だ。

神奈川県が指定ゲームを18歳未満に販売できないようにしたり、「Grand Theft Auto」をプレイしたせいで警察官を殺害したと主張する弁護士がいたりテレビをつければ「ゲームと現実の区別がついていないんでしょう」といった発言が垂れ流しになって来たりで、頭が痛くなってくる。

こういう事を言い出す人は本当にゲームが好きで好きでたまらないのだろうな。あまりにのめりこんで現実との区別がつかなくなりそうだったから慌てて非難する側に回ったのだろう。残念ながら現在のゲームには現実と区別がつかなくなる程のインターフェースも表現力も無い。電源ボタンを入れてコントローラーを握って、大事なところではセーブしてといった「手続き」がかっちりとあって、とても現実との境界を侵食出来るほどの性能はないのだ。

ゲームを現実と勘違いするまでもなく、現実から現実感を喪失する方がずっと容易に起こるし、それで苦しんでいる人は今も沢山いるだろう。ゲームの性能を過大評価して現実世界には問題が無いように見せかけても、誰の助けにもならない。

買ったゲームはなるべくクリアするようにしているが、どうしようもないクソゲーというのもこの世にはある。残念ながら彼らの目にはこの世界の方がクソゲーに見えたという事なんじゃないだろうか。リセットボタンの場所が分らなければ、とりあえずゲームオーバーになってみるしかないだろう。

「この世界には問題なんてない。あんなゲームがあるからこんな事件が起こるんだ」とまくし立てる人達は、誰の望みで誰を弁護しているのだろうな。