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同人漫画界の異常性

作成年月日
2005年07月25日 06:13

あ〜、何だろうな、この温度差は。色々あってふと漫画同人誌やコミティアについて考えてみた。

漫画同人誌の現況を語るにはあまりに距離と時間を置きすぎているが、思い出せる頃で比較してもあの分野はちょっと異常だった気がする。

プロの人数に対してアマチュアの方が数が勝るのはどこでも同じだと思うが、あんなに責任感のあるアマチュアが多く居る分野はそうは無いのではないだろうか。

新刊を落としたり、鉛筆描きのまま出したりといった、商業的にアウトな所業は自分も含めてそこかしこに見られたが、効率の悪い生産性をものともせず、大した金が貰える訳でもないのに徹夜をしてしまい、誰に見張られている訳でもないのに全力で事に当たってしまう様な連中が数万規模でいる様な趣味が、他にいくつあるだろうか。

もちろん全ての同人漫画家がそこまで追い込んでやっているわけでもないのだろうが、そういう人間をさほど苦労せずに見つけられてしまう事もまた事実だろう。

プロとアマチュアの違いは色々あるのだろうが、いくつかの現場を見てきた限りでは、原稿に対する真剣さは彼らと第一線のプロの間に何の相違も見られなかった様に思う。(効率は桁違いなのだが……)

気概だけでもプロに引けを取らないアマチュアがごろごろいるこの世界はちょっとおかしい。カタログに同人誌のレビューを載せたりプロの漫画家の漫画講座を連載するようなコミティアだけが異質だったのかもしれないが、もしそうだったとしても大した人数である。

あんなギリギリとした刺激的な空間は、ちょっと他で探すのは難しいのではないかな。