unlimited blue text archive

バンドのルックス

作成年月日
2005年06月16日 04:02

子供の頃はともかく、年をとるにしたがってだんだんと音楽のメインストリームから離れてきた自分にとって、90年代後半から最近にかけては本当に日本のバンドを聴けない時代だった。昔はまだ「こういうのは好きじゃないけど人気が有るのはまぁ、判るかな」と思えたのに、最近は皮肉も敵意もなく、素朴に「これの何がいいのかが判らん……」と思ってしまうくらいだ。

そのくらい邦楽シーンについては疎いので的外れな事かも知れないが、要するに「asian kung-fu generation」のビジュアルはどうなのよ、という事が言いたいのだ。

知らない人には検索をかけてもらうとして、いつの間にこんなにいい時代になっていたのだろう。永野のりこの漫画の主人公のようなボーカルが女の子の黄色い声援を受けられるような時代が来るとは思ってもいなかった。

もちろんこの辺はファッションとしてやっているのであろうから、「真性」の人も彼ら同様にもてはやされるようになった訳ではないのだろうけど、それでも化粧をしたり髪を逆立てたりしているバンドを眉をひそめて見ていた自分としては、「こんなでも評価される時代になったのか」と、ちょっと嬉しくなってしまうのだな。

彼らがその「1周したようなファッション」のみで人気を博しているのなら、それはただ流行が替わっただけの変化でしか無いのかもしれないが、自分はテレビで時々耳にする「asian kung-fu generation」の音を(エンジニアの功績かもしれないが)割と気に入っている。こんなのばっかりになってもそれはそれで気味が悪いとは思うが、陽のあたる場所にこういうバンドが居てくれると、「まだこの辺りでも聴けるCDがあるかもしれない」と思えて、少しホッとする。