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沈む陽、昇る陽(W杯第9段)

作成年月日
2006年07月02日 22:31

イングランド負けたー!今回イングランド優勝に張ってたのに……。グループリーグからスカッとする様な試合が無く、それでも勝ちあがって来る所にある種の期待感を持っていたのだが、ベッカムが体調不良で試合を退き、ルーニーが一発レッドで退場した後も良く走って良く守った。負け試合だったがいい試合だった。

そして驚愕のフランス×ブラジル戦。こんな結果を誰が予測しただろう。ブラジルがここで消える事、危ういながらも何とかトーナメント出場を果たしたフランスがそのブラジルに完勝してしまう事。前回のスペイン戦の勢いのまま、きっちり全選手が完璧な仕事をこなした。全盛期を過ぎてなおフィールドに君臨するジダンの技術にも舌を巻く。

今大会ブラジルが喫した失点は2。1点は日本、もう1点はフランスが奪ったもので、どちらも先制した形だったが、その後自陣ゴールを守りきれたかどうかが違った。まさかブラジルも自分達が得点出来ない相手がいるとは思わなかったのかもしれない。

フランスの守備は完璧だった。リスキーだがそれ以上に確実なコンセプト、シュート自体を許さないというハードなゲームを90分間やり抜いた。一度ボールを持てば失わないジダンが味方の体力保持に貢献し、必要な局面に全力でプレイ出来る様にし続けた事も大きいだろう。最終ラインも行ったり来たりのゲームにさせないために、高い位置を保ち続けた。ブラジルより先に1点取れたのは僥倖だったかも知れないが、それ以外はプラン通りのサッカーだったのだろう。大急ぎで戻ったり上がったりというシーンが殆ど無い、とても美しいサッカーだった。