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狐につままれた様だ(W杯第8段)

作成年月日
2006年06月30日 02:34

本当にサッカーは何が起こるか分からない。それとも分からなかったのは俺だけなのだろうか。スペイン×フランス戦。グループリーグ初戦でウクライナをタコ殴りにしたスペインと青色吐息でなんとかトーナメント出場まで漕ぎ付けたフランスの対戦、心情的にはフランスを応援していたのだが正直スペイン相手では厳しいかなぁと、半ば諦めていた。それが終わってみれば3-1でフランスの勝利。何が起きたのか未だに分からない。

スペインはグループリーグで非常に魅力的なサッカーを見せてくれたので、もっと長く大会に留まって欲しかったのだが個人的には(これを書くと怒りそうな人間が一人いるので怖いのだが)フランスが残ってくれてとても嬉しい。正確に言うとジダンが残ってくれてとてもとても嬉しい。

前回W杯では怪我の為にその活躍を観せる事無く大会を去り、今回は当初代表引退を表明していた為、1998フランス大会を観ていなかった自分はもう永遠にW杯で活躍するジダンを観る事はないのかと思っていたのである。

彼がレアルマドリッドの一員として確かJリーグのクラブと戦った試合だったと思うのだが、走りながら足元のボールを有り得ない方向に引き摺って相手DFを煙に巻いた瞬間、どよめく観衆同様俺もテレビの前で素っ頓狂な声を上げてしまった。すかさず巻き戻して何をしたのかをスロー再生で確認してもなお、夫婦揃って「この人頭おかしい!(褒め言葉)」と言わせしめたあの感激を、W杯の舞台でもう一度見せて欲しいと願っていたのである。

彼が決めた駄目押しの3点目は、あの時程のインパクトをもたらす様なプレーではなかったが、彼がW杯のピッチに立っているという事を実感させてくれる貴重な1点だった。次はブラジルが相手でこれ以上無い位に厳しい組み合わせとなったが、彼のW杯の時間がまだ終わらない事を心底嬉しく思う。