ポルトガル×オランダ戦。両チームいいサッカーを展開していたのにいつの間にかスタジアムは殺伐とした空気に支配され、一人、また一人とイエローカードを受けて行き、終わってみれば２人ずつ計４人の退場者。９人対９人の戦いはサッカーではなく野球の試合の人数である。この退場者４人というのはＷ杯新記録だそうだ。
荒れ狂うピッチから退場を宣告されたポルトガルの選手（余談だがこのデコという選手は小倉久寛並に幸薄そうな顔だなぁと思いつつ見ていた）とオランダの選手２人が肩を並べて座り込み、ピッチで戦う同胞を見つめていた光景がとても印象に残った。
たとえ負けるにしても、その笛の音はピッチの中で聞かないととても納得出来ないであろう。勝ったポルトガルも軒並みイエローを受けてしまい、次のイングランド戦の内容次第では、さらに次の戦いでピッチに立てない選手が出る可能性もある。
たった４連勝すればいいだけの決勝トーナメントだが、一つ上に上る為にどれだけの物を犠牲にしなくてはならないのかを雄弁に語った試合だった。