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美しい未来(W杯第4段)

作成年月日
2006年06月25日 01:16

グループリーグ終了。日本×ブラジル戦の後、気合で押し留めていた風邪がついに発症してしまい、幾つかの試合を観そびれてしまったが、観たい試合は全て観る事が出来た。

結局2分け1敗で初めてのW杯を終えたアンゴラ。一縷の望みをかけた第3戦、解説者は大量点が必要なこの局面でどうして前に行かないのかいぶかしんでいたが、それもこのチームらしいと思った。

初戦から一貫して自分達に出来ることだけを謙虚にやり通して来た彼等である。希望と高望みを履き違えず、自分達の力を把握し、その中で採れるベストの戦術で戦い続けたからこそポルトガル相手に1失点で凌ぎ、メキシコから勝ち点1を取れた。

決勝トーナメント進出の可能性にかけて一か八かの賭けに出るより、自分達の選んだ戦い方をやり抜く事を選んだのだろう。結果決勝トーナメント進出はならなかったが、二つ目の引き分けを得る事が出来た。アクワのオーバーヘッドがゴールネットを揺らす事はついに無かったが、この戦力、このグループで2分け1敗は本当に大したものである。彼ら自身も誇りの置き所を知っていたのだろう。

アンゴラを始めエネルギッシュなプレイで強豪を脅かしたコートジボワール、カリブの島国からやって来ていきなりスウェーデンと引き分けたトリニダードトバゴなど、今回初出場を果たした殆どのチームがサッカーとは少し違う次元でその強さを見せ、そして去る事になった。彼らは確かにあと1歩か2歩、決勝トーナメントに進んだチームに及ばなかったが、それ故に多くの美しい瞬間を見せてくれた。彼らもまた多くの物を得て、それを故郷に持ち帰り未来への礎にしてくれるだろう。

今日は勝ち残る事を許されなかった彼らや、未だこの地に辿りついていないまだ見ぬ国の人達に会える日を夢見つつ、いよいよ勝ち以外は許されない決勝トーナメントを楽しむとしよう。