近所に「子育て支援センター」という施設がある。子供の遊び場に特化した小さな公民館の様なものだ。施設の中には遊戯室が幾つかあり、絵本やぬいぐるみなどが所狭しと並べられている。親子で好きな時に訪れ、好きなだけ遊んで帰れる場所なのである。
部屋においてある遊具の他に、受付でパズルやボール等も貸し出してくれるのだが、その中に「HOPPERS」という外国製のゲームを見つけた。
水面に蓮の葉をあしらったピンが13本立っていて、そこに妙に良く出来たカエルのフィギュアを差す事が出来る。カエルの初期配置は初級〜最上級の4段階に区分けされた40枚程度のカードに記され、プレイヤーは好きなカードを選んでその表側に描かれた図の通りにカエルを置く(最大12匹)のである。
そしてここからがミソだがゲームの流れは以下の様になる。
- カエルは隣のカエルの頭を跳び越えて向こう側の空いている蓮の葉に跳び移る事が出来る。
- 頭上を跳び越えられたカエルはボードから取り除く。
- 好きな時に好きなカエルを動かせる。
- なるべく少ない移動回数で「ボード上に一匹しかカエルが居ない状態」に持っていく事を目的とする。
テイストとしては詰め将棋に近い。与えられた初期配置に対して、一番効率のいい回答を導き出すのである。1回の移動で最大1匹のカエルしか取り除けないので、「初期配置のカエルの数-1(最後に残る1匹分)」が、目指すべき最小移動回数の指標となる。この数より少ない手間であがる事は出来ないわけだ。正解手順の例はカードの裏面に記載してあるので、自分が考えた手順と較べてみると面白い。同じ移動回数でも「美しい」手順と「そうでもない」手順が存在するのがこのゲームの面白い所だ。
カエルの群れが置かれたテーブルを挟んで真剣に悩む両親を見た娘が驚異的な直感で「自分には手の届かない場所に行かれてしまった」と察して泣き出す一幕もあったのだが、この時期ゴールデンウィークという事で利用者も少ない。楽しく暇を潰せるものが見つかったので、またすぐに出かけることになりそうだ。