先日放映されたNHKスペシャル「天坑」はなかなか刺激的だった。山の頂きから峰にかけてぽっかりと開いた直径600m、深さ600m程もある竪穴。そんな大穴が幾つも点在する山麓の光景は、これまでフィクションの世界でもなかなかお目にかかれない程SFライクなランドスケープだったのだが、その番組中に紹介されたパンダの祖先の映像が凄かった。
若干スリムな体型で、今のパンダと殆ど変わらないにも関わらず、そのパンダの祖先は肉食だったらしい。美麗に再現された3DCGでは、「鹿の母子に襲い掛かるパンダ」という常軌を逸した光景が描かれたのである。おそらくこれまで誰も描かなかったモチーフであろう。夫婦で爆笑しつつ、この先死ぬまで絵を描き続けても「鹿に飛び掛るパンダ」を描く機会は無いだろうな、と思った。