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甲子園に持っていくもの

作成年月日
2006年03月25日 23:30

春の選抜高校野球。およそ普段は興味の無い行事だが今年はちょっと気になるチームがあったので1試合だけ観た。24日の第3試合「八重山商工(沖縄)-高岡商(富山)」である。結果は5-2で八重山商工の勝ち。

八重山商工は石垣島にある高校で、離島の学校が選抜に出場するのは史上初なのだそうだ。彼らを取材したドキュメンタリーが過日放送されていたので、興味があったのである。普通生半可な環境(設備、練習量、部員の数)の野球部では甲子園には来れないものだが、この八重山商工は練習内容こそハードなものだが(といっても甲子園出場校としては飛びぬけたものではないだろう)それ以外はいたって生半可であった。

昼休みに家の店の手伝いに戻る生徒が居たり、開幕二週間前にサッカーして遊んでたら足を捻挫したエースが居たり、監督はしょっちゅう怒鳴っているが皆少年野球の頃からの付き合いなので馴染んでしまい、のんびりした風土で育ったせいか時間にルーズで大勢が練習に遅刻してくる。どの子も非常に朴訥としており、良い意味で田舎の子らしい感じだった。

今回たまたま離島の高校という事でスポットが当たった訳だが、探せば他の高校にもこういう子達はいっぱい居るのであろう。甲子園に出るような野球部でベンチに入ろうと思えば遊ぶ時間は極端に制限される。メンタルを考えるなら全国どこの野球部員も余り変わらないのかもしれない。日が暮れるまで野球をして帰って寝て日が昇る前に野球に出かけているわけだ。(もっともその野球が苦痛だったら、出来上がるメンタルは真逆のものになりそうだ)

ともあれ、選手の顔と名前に馴染みが出来ると高校野球も面白いものである。次の試合も余り熱心にではないが応援しようと思う。

追記

結局八重山商工は次の2回戦、7-6で敗れたが、相手の横浜高校はその後も勝ち続け結局優勝してしまった。横浜高校の試合結果は

対履正社
1-0
対八重山商工
7-6
対早稲田実
13-3
対岐阜城北
12-4
対清峰
21-0

である。準々決勝以降全て2ケタ得点という化け物高校相手に善戦したと言えるのではないだろうか。